いつも一緒にいたかった~♪
ではなく
馳星周先生の短編集です。
「世にも奇妙な物語」のアダルトバージョンてとこでしょうか。
ブラックで、ダークです。
馳星周・「M」
4つの官能的な物語が楽しると思いきや
興奮するというより、若干へこむかも。
10年以上前に出された本なので
今は中古などでお求め安くなっております。
日常に潜む
官能的で鬱々しくて物悲しい
失望と絶望の世界を味わいたい方はぜひ。 ←
それでは4つの物語を
軽くレビューしてみますね。
眩暈。
妻子持ちの男性が
義理の妹の存在により
トチ狂っていく物語です。
私は節々でちょっと笑ってしまいましたが
笑える方と笑えない方と
別れそうな作品だなと思います。
どちらでもいいと思いますよ、ええ
性癖なんて趣味の話ですから。 ←
既婚者は笑えないかもしれない一品。
人形。
複雑すぎる家庭環境が生み出す
ねじれにねじれた偽造の幸福。
まじか(;゚ Д゚)
的な展開もあって面白いです
読者を気持ちよく裏切ってくる技も
馳星周さんの好きなポイントなんですよね。
絡み合う愛に溺れて堕落していく女子大生のお話。
声。
声にだまされた
売春にハマる主婦が奈落に堕ちていく話。
と思いきや…(;゚ Д゚)
そっちがオチかい!ってなりました。
面白いです。まさかの展開。
絶望の夢から覚めれば
そこはまた、絶望の夢の中だった。
ってゆー
救いようのない話。 ←
M
風俗嬢に狂おしいほど恋をしてしまう
フリーターのお話。
彼女に会いたくてたまらないが
プライベートでは会えず、もちろん会うにはお金が必要で
好きな時に連絡が取れるわけでもない
そして嫉妬に狂った少年がとった行動とは――
これもオチは意外でしたね
物語としては、これまた最悪の展開です。
読んでると暗くなります
元気を出したい時に読むものではないですね(´∀`*)
4作品とも
艶めかしい官能の世界を前面に
裏では人間の黒い心理が渦巻いてるといった印象です。
甘い蜜の匂いに誘われて
背徳の世界をほんの些細な事で覗いてしまうと
そこは大きな口を広げて獲物を待つ暗黒の世界
次にその奇妙な世界の扉を開けてしまうのは
あなたなのかも知れません…。
テレレレレッ テレレレレ~ン ←テーマ曲