
なんなんですかこれは( ´゚д゚`)
箱男
全国各地には、かなりの数の箱男が身をひそめている。
どうやら世間は箱男について、口をつぐんだままにしておくつもりらしい――。ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは? 贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換する場面(シーン)。
読者を幻惑する幾つものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、実験的精神溢れる書下ろし長編。by Amazon
「覗き」が好きな変態のお話です。
ってだけ書いたらただの悪口ですが()、もちろんこの作品に惹かれたのはそこだけではありません。
この作品の見どころは、怪しくも淫靡な雰囲気を読者にイメージさせていく表現力ですね。
書き方を間違えたらただの「意味の解らない覗きが好きな変態の物語」で終わってしまいますよこれ。 ←
今まで誰がこんな表現を思い付いたんだろうか。
著者の綴る膨大な日本語の知識量とそのアイデアに、終始感動しっ放しでございました。
まさに「日本のドープな文学!」って感じの作品ですね。
- 「覗き」の背徳感
- 淫靡で危険な性の領域
- 人間の暗い欲望
この辺の表現の仕方が本当にえぐかった。
物語としてはぶっ飛びすぎてるので、読んでも多分わけわかめになると思いますが、そんなことはもはやどうでも良いのです。
これはエロい。踏み込んではいけない世界を見てしまった気分です。
怪しく人間性をえぐる東洋の神秘です。
雨の日とかに読むとこの世界観を堪能できるかもめ。
おヒマつぶしに、ぜひ。