【小説】遠田潤子 さくっと「小説・ノベルズ」

【小説】こんな切ないラブストーリーあかんわ( ´゚д゚`)ってなった物語―『月桃夜』

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泣きそう。

 

月桃夜

この世の終わりならふたりの全てが許される。奄美の海を漂う少女の元に、隻眼の大鷲が舞い降り、語り始めたある兄妹の物語。親を亡くし、一生を下働きで終える宿命の少年フィエクサと少女サネン。二人は「兄妹」を誓い、 寄り添い合って成長したが、いつしかフィエクサはサネンを妹以上に深く愛し始める。人の道と熱い想いの間に苦しむ二人の結末は――。南島の濃密な空気と甘美な狂おしさに満ちた禁断の恋物語

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遠田潤子先生の記念すべきデビュー作です。

私も最近は遠田作品にハマっていろいろ読み漁ってますが、これが一番毛色が違うかも。

舞台は鹿児島の奄美大島なのですが、なにやら不思議な世界が絡んでくるファンタジーものなんです。

「冬雷」も若干ファンタジー入ってましたが、この「月桃夜」はもうマトモにファンタジーですね。

 

それでも、なんとなく現実の話を読んでるっぽい錯覚を起こしてしまうのが不思議なところ。

これぞまさに遠田潤子マジックなんですね~。

 

さくっとレビューしますよ!

 

物語はラブストーリー。だが…?

ひょんなことから山で出会い、兄と妹の誓いをたてた2人の恋物語です。

そうなんです。2人は血が繋がっていないんですね~。

 

「えっ?じゃあ別に誓いをたてたってだけで、血が繋がってないなら普通に恋愛したらええやん」って思うじゃん?

ここがミソなんです!(古い

なんと「山の神様」に誓いをたててしまったので、誓いを破ることは出来ないんですねえ。

 

ええ。まあ、こうやって文字に起こすととってもアホっぽいですが。やめなさい

この「山の神様」が物語に深く関わってくるのですが、これがまた良い演出するんですよね~。

 

常に「嫌な予感」がつきまとう

そんな2人が出会ったのは、兄のフィエクサは7歳、妹のサネンは5歳の時。

5歳のサネンはまだなにも知らない、とても美しい女の子なんです。

そして舞台は飢えた時代の奄美。親もいない貧乏な兄と妹の2人暮らし。

 

はい。嫌な予感がしますね。

いつ女の子が襲われたり売られたりするのかわからない状況にいるのです。

これがめっちゃハラハラしちゃって!(変態

 

「妹を守る!」と言っても、兄のフィエクサも若干7歳。

なにができるの?って話なんですよ。

この2人を見ているとまるで綱渡りをしているような、ある種のスリルがありましたね。

でもこれが物語に惹きつける、大きな要素かもしれないですね。

 

悪いやつがいるんですよ。これが。今も昔も。

また物語に感情移入してしまってるもんだから、読んでるこっちも必死ですよね。 ←

 

そして2人の結末は―!?

ここで物語一番の見どころはやっぱり、ラストに用意されている怒涛の展開ですね。

終盤は一気に物語が加速していくので、ここからはもう自分の意志でページをめくる手を止めることはできません。

「スキマ時間にちょっとだけ…」という読み方はおすすめしません。がっつり丸一日の余裕を推薦します。

 

しかも、本編の物語とは別に、違う物語まで用意されちゃってるから驚き。

まったく気づきませんでしたが、なんと裏では同時に進行してた「アナザーストーリー」があるんですね~。

これもおもしろかった!そんな発想なかったですから。

 

これはもうなんかね。普通のラブストーリーじゃないんですよ。

恋愛モノも好きなので、結構な数の作品を見たり読んだりしてますが、これはまた「別モノ!」って感じがしますね。

 

ファンタジー要素との距離感が絶妙なのも最高。

うまく絡みながら2人の恋物語を盛り上げてますね。

 

まとめ

やっぱりこの人天才だわ。

遠田潤子作品をいろいろ読み漁ってますが、「物語を書く」ことに関しては、本当に天才的だなと思いますね。

私が本屋の店長なら「遠田潤子コーナー」を設けるレベルです。(熱

 

これもまた、あんまり本屋さんにも売ってないんですよね~。

なんでこんな良い作品が世に出回ってないのか不思議なくらいですが、きっとマイノリティなんでしょう。

 

胸にジーンと来る、切ないラブストーリーです。

おヒマつぶしに、ぜひ。

 

 

 

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-【小説】遠田潤子, さくっと「小説・ノベルズ」

執筆者:

gxfh

読書ノート。時々雑記。