
これはやべえ。
件 もの言う牛
件は牛から生まれ、予言をしてたちどころに死ぬという。卒論取材で全国の一言主神社を調査する美波大輔は、件の誕生を目撃し、命の危険に曝される。件の予言は的中。首相が急死する。次期首相人事も左右するという宗教団体・みさき教に囚われた大輔は予言獣・件の恐るべき正体に気づく。書下ろし伝奇ホラー。
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ホラーと言えばジャパニーズ!(´∀`*)
ということで今回、手に取ってみた作品は「件~もの言う牛」です。
いや~、これまた日本ホラー特有の「精神的にくる」怖さ全開でヤバイですね!
そんな怖さもありながらも、謎あり、命がけのスリルあり、大どんでん返しありと、なかなか濃ゆい1冊でございましたよ!
さくっと見どころをレビューします!
件とは?
まずこれを知らないと話にならない。←
- 件(くだん)は、19世紀前半ごろから日本各地で知られる妖怪
- 「件」(=人+牛)の文字通り、半人半牛の姿をした妖怪として知られている
- 牛から生まれ、人間の言葉を話す
- 必ず当たる予言をするが予言してたちどころに死ぬ
引用:wikipedia
などなど、諸説ありますが実際に言い伝えられている妖怪なわけですね。
大丈夫。おれも知らなかったから(ノ∀`)タハー
ということで、この妖怪「件」が話の中心になってくるのでもちろん、内容は日本伝奇ホラーです。
が!
これだけではないんですね~!
冒険小説
なんとこれ、冒険小説です。
物語の発端は、伝説の妖怪「件」の目撃から始まり、人々が「件」に食い殺されるという事件にまで発展するのですが、なんとこの伝説の妖怪「件」事件。
うしろには、なんとも巨大な組織の陰謀が隠されているんですね~!
なにやら怪しげな宗教団体、なにかを隠している畜産農家、「件」を取り巻く不気味な権力の影…
これらを暴くべく、とある大学生が立ち上がるのです!
ということで、どちらかと言うと冒険小説要素が強めですが、これがまたね。
展開もおもしろくて手に汗握るスリルがあるんですよね~!
明かされていく、謎
やっぱり、第二の見どころはこれ。
「件」事件の全貌ですよね。
実際、物語の中にいろんなミステリー要素はあちこちに散りばめられてはいるのですが、なんせ冒険小説要素が強めの作品。
このミステリー部分はかなりナメてました(ノ∀`)マイッチャウナ!
しかしながら、このミステリーにもこれまたあっと驚く展開が用意されてるから始末に負えない!
おもしろかったですね~!
例の「件」事件についてもそうですが、他にも
- 牛が食べていた「赤くてぶよぶよしたもの」の正体とは?
- 大悪天皇と言われるほど暴虐だった雄略天皇が改心した「ある一言」とは?
- みさき教の言う「儀式」の正体とは?
この辺がおすすめの見どころですね。
そして衝撃のラスト!
ネタバレはしませんが、この後半ラストの疾走感。
つい笑ってしまいました。
あんまないですよね。サバイバルパニックホラーで笑うこと。
最初は不気味なホラーだったはずが、なにやら話が大きいことになってきて、最後はこの展開ですよ。
これはちょっと、読んだ人と話してみたい。一体どんな感情になったのか。笑
作者さんも笑わせる気があるのかないのかよくわかりませんが、本当に「衝撃のラスト!」って感じでしたね~!
こーゆー読者の裏切り方は結構好きです(´∀`*)
まとめ
子どもから大人まで楽しめる1冊です。
スリルもあるし、これと言って難しい話もないし、若干中二だし()、ほんと、そんな感じの作品ですね。
ついつい一気読みしてしまいました。
おヒマつぶしに、ぜひ。