
良い!
竜血の山
水銀、この美しい毒に囚われた二人の青年の数奇な運命――
昭和13年、鉱山技師の那須野寿一は、北海道東部の山奥で、巨大な水銀鉱床と地図にない集落を発見する。〈フレシラ〉という名のその集落には、ある秘密を抱えた一族が暮らしていた――。
フレシラの鉱夫となった一族の青年アシヤ。寿一の息子で、水銀に魅せられた源一。太平洋戦争、朝鮮戦争特需、水俣病の公害問題……昭和の動乱に翻弄された二人の青年の、数奇で壮絶な生き様を描く!-あらすじより
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ついつい一気読みしてしまった。
「水銀を飲んでも死なない特異体質を持った民族」という、なんとも中二な人たちの物語です。
一応調べてみましたが、どうやらそんな人間は存在していないもよう。
これフィクションだから、良い子は真似するんじゃないぞ!(´∀`*)←
しかしながら、フィクションとは言え、北海道に水銀鉱山自体は実際に存在してるし、戦時需給や水俣病問題は実際にあった出来事なので、「半フィクション」って感じですかね。
「水銀の歴史」として、その軌跡を辿れるのも本書の魅力の1つです。
ということで、昭和の北海道を舞台にあれやこれやと人間ドラマが繰り広げられるわけですが、これがなかなかの波乱万丈っぷり。
金に欲望に殺人と、かなりのドロドロ劇!最高!
やっぱりね、こんな闇の部分が見たいわけですよ。(
そして、ドロドロ劇でさんざん振り回されたあとに待ち受ける、謎の満足感に満たされるラストシーン。
北海道の美しい雪原が目に浮かぶようでした。
しかし、よく考えてみれば「?」ですけどね。
やっぱり水銀中毒になってたんちゃうん?( ´゚д゚`)みたいな。笑
そんな「ちょっと変わった歴史もの」と「ドロドロの人間ドラマ」が好きな人におすすめです。
おヒマつぶしに、ぜひ。