
良書を破壊する者は、知性を殺しているのだ。 by ジョン・ミルトン
華氏451
華氏451度──この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。
451と刻印されたヘルメットをかぶり、昇火器の炎で隠匿されていた書物を焼き尽くす男たち。モンターグも自らの仕事に誇りを持つ、そうした昇火士(ファイアマン)のひとりだった。だがある晩、風変わりな少女とであってから、彼の人生は劇的に変わってゆく……
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読書って大事だなあ!ってことがよく解る作品です。
これまた支配下に置かれた人類の未来を描いたSF小説なのですが、ポイントは人々を支配するための方法が「本を読ませない」というところですね。
なぜ、本を読ませないようにすれば支配できるのか
「本」とは、過去の人達が築き上げてきた「気付き」の詰まった、言わば「アップグレード剤」なんです。年月が経てば経つほど、書物が世に出れば出るほど、読書する人間が増えれば増えるほど人類はアップグレードしていきます。
読書によって独自の想像力や思考力、感情や表現力を鍛えて、しかも「過去にあった失敗や成功」を学んで効率よく成長でき、余った時間でさらなるアップグレードに挑戦できるのです。
読書をしなくなった人類がどうなるかはお察し。頭には「支配下に植え付けられた情報」しかないので、自堕落で理性や知性もなく成長志向もなくなり「このままでいいや」状態になります。そうなれば「自我」を簡単に操作することができるようになるということですね。
「こーゆー考え方もある」という新しい刺激や選択肢を知らないので、考えが思いっきり偏ってしまうわけです。人類の仕組みはよく出来てるな! ←
この物語では、「読書をする人としない人では、見える世界が違うんだな~」というのが主人公を通してハッキリと解る内容となっております。
「読書で自分を成長させる」のが大好きな世界中のビジネスマンに愛される不朽の名作です。
SF小説としてももちろん面白いので、ぜひ。