
良い読み物ですよこれは。
アインシュタインの戦争 相対論はいかにして国家主義に打ち克ったか
一人の天才の頭脳から生みだされた時、相対論は本当の試練を迎えた。第一次大戦下、相対論完成の最後のピースを探し求めるアインシュタインに立ちはだかった、あらゆる試練――平和主義者の弾圧、妻との確執、食糧難、病、そして協力者たちとの分断。ドイツに閉じ込められた「世紀の理論」はいかにして世界に羽ばたいたのか。憎しみあう大国のはざまで揺れ動いた科学者たちの群像。
by Amazon
時間を忘れて読みふけってしまいました。
「相対性理論」で有名な天才理論物理学者アルベルト・アインシュタインと「相対性理論」が歩んできた歴史でございます。
これねー、私もそうですがどうも昔からこの「物理学」とか「数式」とかが苦手で。笑
興味はあるのですが、それ系の本を読んでも知恵熱が出て終わり。ってパターンがほとんどなんですよ。
えっ?じゃあなんで買ったのかって?ジャケがかっこいいからだよ!(´∀`*)マイッチャウナー
ということで、表紙が超かっこいい「アインシュタインの戦争」
しかしこれがまた軽い気持ちで読み始めたところ、一気に持って行かれました。
アインシュタインの業績や人生を多角的に捉えたスゴイ1冊です。
さくっとレビューします!
「相対論」はいかにして世界に認められたのか?
やはり、本書の1番の見どころはここでしょう。
「宇宙とか物質とか太陽の光とか重力とかの仕組みって、実はこうなんじゃない?」という「相対論」を仮説したアインシュタインと、実証実験で相対論を裏付けした天体物理学者アーサー・スタンレー・エディントン。
この2人がいなければ、世界は今よりよほど遅れていただろうと、著者さんは言います。
そりゃそうですよね。
光が重力によって湾曲するなんて、普通は気付きませんし、どうかしたら今でも「えー絶対うそやん( ´゚д゚`)」つって疑う人もいるでしょう。
しかし、今やこれらの「理解されづらい真理」を科学的に実証したおかげで、現在のテクノロジーは成り立っているのです。
そんな現在になくてはならない理論なわけですが、当時に世界中の科学者や一般人に認めさせるのはやはり困難で。
そもそも、アインシュタインが見つけた相対性理論は説明と実証実験が非常に難しいんですよ。
これを天文学者のエディントンが実証実験してくれるわけですが、ここで大きな問題が1つ。
アインシュタインとエディントンの生きていた時代は第一次世界大戦の真っ只中。
しかも、お互いに敵国同士だったのです。
その2人がいかにして出会って、相対性理論を実証させたのか?
ここがもうむちゃくちゃエキサイティングでおもしろいんですよ。
本書の最初の方は、2人の歴史や裏話エピソードなんかをフューチャーした物語になってますが、中盤あたりで2人が出会ってからの疾走感はエグイです。
ぜひともこの「世界を変える理論」が世の中を熱狂させるさまを楽しんで頂きたいですね!
天才たちの裏エピソード
こーゆー評伝本のおもしろポイントの1つですね。
「えー!そうだったんだ!」が炸裂しまくる1冊となっております。
私自身、あんまり詳しくないからかも知れませんが、初めて知ることばかりでしたね~!
いわゆる「世に出てない」ような話が満載でございました。
やはり、人の人生ほどおもしろいエンターテイメントはないですよ。
アインシュタインの人間性、発想力、思考の数々、山あり谷ありの壮絶で人間くさい人生を楽しめるのも良いですね。
「相対性理論」がわかる
本書の隠れたおすすめポイントはこれじゃないかと。
今までなんとなくしか解らなかった「相対性理論」のことがよくわかるようになりました。
相対性理論というより、アインシュタインの脳内って感じでしょうかね。
彼の目にはどんな風に世の中が写って、どーゆー風に物質の原理を理解していたのか?
これが解ると、「相対性理論」がわかりやすいですね。
なんせ、「相対性理論」を見つけたのはアインシュタイン本人ですから。
その本人の人生を1から詳しく見て行くので、「あーそーゆーことね!」という理解に及ぶのです。
またアインシュタイン自身がおもしろい人ですから。笑
たまに「ん?」ってなる部分も気になってググって調べてしまう…そんな魅力のある人物の書き方が非常に良いですね。
物語はやはり人の心に溶け込みやすいです。
ストーリー仕立てで「相対性理論」の歩んできた歴史と共に勉強できるのも、私としてはポイント高かったですね。
まとめ
ということで、相対性理論が科学の常識や国家間の戦争と戦ってきた、まさに「アインシュタインの戦争」な1冊でした。
久しぶりに熱くなってしまいましたよ。
ビルゲイツが推薦してないのが不思議なくらいだわ。 ←
まだ読んでないのかな。ビルゲイツさん!これおもしろいですよ!(´∀`*)
おヒマつぶしに、ぜひ。