
感動するレベル。
生誕祭
六本木のディスコで黒服のバイトをしながら満ち足りぬ日々を送っていた彰洋は、偶然出会った幼馴染の麻美に不動産屋の美千隆を紹介される。時はバブル真っ盛りの八〇年代後半。おれはおれの王国を作りたいんだ―若くして成り上がった彼の言葉に魅せられた彰洋は、二十歳そこそこで大金を動かす快感に酔いしれていく。
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やっぱり、馳星周と言えばコレですよ。
金と欲に塗れたザ・クライムノベルですね。
今作も期待を裏切らない堕落っぷりでございますよ!
さくっと見どころをレビューします!
マミ
この物語はもう彼女だけで成り立ってるようなものですよ。 ←
マミの超絶な極悪っぷりが最高な1冊ですね。
本書には金に目が眩んだ者たちがたくさん出てきますが、中でも彼女の悪さは群を抜いております。
金のためなら周囲の人間を罠にはめることすら厭わないってゆーね。
しかもそれを笑って見てるもんだから恐ろしい。
それでも、それぞれの騙し合いや裏切りが激しさを増していくことに従って彼女も奈落の底へ向かって行くわけですが、それでもこの「絵に描いたような悪女っぷり」は注目ポイントかなと。
港区女子は恐ろしいですね。偏見
「良心」って言葉を知らないのかね君は( ´゚д゚`)
飽きさせない展開
上下巻で結構な長篇ですが、最後までハラハラして読めるのもポイント高いですね。
金と欲に目が眩んだ者たちが紡ぐマネーゲームが、次々と展開を加速させていきます。
最後に笑うのは誰だ!?( ´゚д゚`)みたいなね。
この「どうなるんだコレ…?」感を常に楽しみながら読める小説って、そうそうないんですよ。
もはや彼らは手段なんて選んでおりません。
ドラッグ、セックス、思惑、騙し合いetc、悪態の限りを尽くした頭脳と戦略が飛び交う、まさに地獄絵図でございます。
やっぱりこれぐらいぶっ飛んだことやらないとね。 ←
おかげで本作も非常に刺激的でスリリングな作品となっております。
他人の不幸は蜜の味?
これは個人的におもしろかったポイント。
不幸になっていく人を見るのが楽しい作品でもありました。
時代は不動産バブル。
東京の土地が沸きに沸いてる時代ですから当然、なんとしても土地を買い叩きたい人間が出て来るわけですよ。
そんな彼らにはめられて土地を手放さないといけない事態になってしまう人もいるわけです。
その人たちを見てるとね~。
可哀そうってゆーより、どんな風に不幸になっていくのか?ってところがもう見たくて気になって気になって。
性格悪いな!(ノ∀`)タハー
まさに「他人の不幸は蜜の味」って言葉の真髄を見たような。
自分の中に眠る人間の本性みたいなものを見たような作品でもありました。 ←
まとめ
清々しいほどに「金と欲望」に塗れたクライムノベルです。
これぞ馳星周!と言わんばかりのダークさはたまりませんね!
ちなみに、この話は「復活祭」に続くのですが、この作品がおもしろかったら超絶におすすめです。
登場人物なんかはそのままで、金と欲望の地獄絵図がさらに激化していきますから。 ←
超絶にブラックな奈落の底への狂想曲をお楽しみ下さい。
一気読み推薦です。おヒマつぶしに、ぜひ。