
タイトルに全てを詰め込んだ。←
入らずの森
陰惨な歴史が残る四国山中の集落・尾峨に赴任した中学教師・金沢には、競技中の事故で陸上を諦めた疵があった。
彼の教え子になった金髪の転校生・杏奈には、田舎を嫌う根深い鬱屈が。一方、疎外感に苛まれるIターン就農者・松岡は、そんな杏奈を苦々しく見ていた。一見、無関係な三人。だが、彼らが平家の落人伝説も残る不入森で交錯した時、地の底で何かが蠢き始める…
by Amazon
いや~、おもしろいですねえ!(´∀`*)
宇佐美まことさんの作品を読み漁ろうシリーズ、第10弾はこちら「入らずの森」です。
さくっと見どころをレビューします!
あれ…松岡さん…w
これもね、別にふざけてるわけではないんですけども。
一番印象に残ったのがこれだったってだけで。
松岡さんがなかなか可哀そうな物語です。(ふざけてるやん
本書の内容としては、とある森を中心に展開するホラーファンタジーですね。
「この森にはなにかがいる…」みたいな。
その不気味さと不可解さ、ミステリーやホラー要素も鉄板で、もはやこの作家さんに関しては説明不要。
相も変わらず、素晴らしい描写力で世界観にどっぷり引き込んでくれます。
そして読み終わった後に「いや~今作も完成度の高い作品だったな~」とため息混じりに本を閉じ、もう一度じっくりと物語を回想して余韻を楽しんでたのですが…
ふと気付いてしまったわけですよ。
あれ?松岡さん…。←
そこにはあまり触れられてないのですが、ちょっとあまりにも可哀そうだなと思ってしまって。笑
一番の被害者やん。と思わずボヤいてしまった。そんな物語です。
ホラーパニック!
まあ、これを最初に言えって話ですけども。
むちゃくちゃおもしろいホラーパニックです!
- 気が狂った殺人鬼を生み出した「いわくつきの森」
- そこに関わることになったワケありの登場人物たち
- ご多分に漏れず…
って感じですね。
森にある正体不明の「何か」によって、人間が狂っていくわけですが、それがもうね。
日本ならではの恐怖感を醸し出してくるんですよ。
なんなんでしょうね。
この精神的に来る感じ。
海外みたいにダイレクトに「ガツン!」って感じではなく、「ジワジワ」「もぞもぞ」みたいな。
わかるかな。(語彙力
まとめ
宇佐美まことさんの作品を読むのはこれで10作品目ですが、こーゆーホラーパニックものも書いてたんですねえ。
人間の業とか情とか描かせたら最高やなと常々思ってましたが、そこにこんなジャンルをぶち込んできたのは新鮮でした。
ちょっと中二なホラーパニックものが好きな方におすすめの1冊です。
おヒマつぶしに、ぜひ。