
こんなん見たことないぞ。
人でなしの櫻
しがない日本画家の竹井清秀は、妻子を同時に喪ってから生きた人間を描けず、「死体画家」と揶揄されていた。ある晩、急な電話に駆けつけると、長らく絶縁したままの天才料理人の父、康則の遺体があり、全裸で震える少女、蓮子がいた。十一年にわたり父が密かに匿っていたのだ。激しい嫌悪を覚える一方で、どうしようもなく蓮子に惹かれていく。
-あらすじより
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一言で言うと、「凄まじい!」ですね。
こんな読書体験は久しぶりです。
読み終わって半日ほど経ちますが、未だになにもする気が起こりません。←
とにかく圧倒されるのは、清秀と蓮子の愛と生への執念!
狂おしいほどに愛を求め、生にしがみつき、そして「生きた証を残したい」という執念がグイグイと胸に押し寄せて来ます。
この話は、生涯忘れることないでしょうね~。
こんな「心に爪跡を残してくれる物語」って、共通して「視覚的」なんですよね。
本当に、目の前に清秀と蓮子がいるような錯覚。
直接、脳をこじ開けてイメージを送り込んでくるような凄みがありますね~!
もはや映画ですこれは。←
本当に意味での「生きる」って、こういうことなのかもしれないな~と、記事を書きながら改めて思いますね。
終盤での清秀のセリフが全てですよ。
「頼む。俺の心臓の最期の音を聞いてくれ」
これを読まずに死ぬ人がかわいそう…って本気で思うくらいおすすめです。←
凄みを増した遠田潤子マジックに圧倒されたい方は、ぜひ。