
良い!
ニッチを探して
背任の疑いをかけられた大手銀行員・藤原道長は、妻と娘を置いて失踪した。人目を避けた所持金ゼロの逃亡は、ネットカフェから段ボールハウス、路上を巡り、道長は空腹と孤独を抱え、格差の底へと堕ちてゆく。一方、横領の真の首謀者たる銀行幹部たちは、事件の露見を怖れ、冷酷な刺客を放つ――。逆転の時は訪れるのか。東京の裏地図を舞台に巨額資金を巡る攻防戦の幕が開く!
-あらすじより
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こんな資本主義社会やってらんねえよ!( ´゚д゚`)ってことで、銀行から着服したお金を慈善団体に寄付しまくって逃亡した銀行員のお話です。
普通に妻と子供もいますが、家族の心配も何のその。
「まあそこら辺は資産でも売って生活してよ」という、絵に描いたような見切り発車なスタートです。
そして、ここから銀行&警察&刺客たちから逃亡する生活が始まるわけですが、これが見どころ。
なんともニッチなアドベンチャーが待ち受けているのです!
この目の付け所が、さすが島田雅彦さん!って感じですね~。おもしろい!
今作も斜め上を行く現代社会のダークさが、またもや夢中にさせてくれます。
普通に、ホームレスの生活なんて体験できないですからねえ。
しかも結構楽しそうに見えて来るから不思議。
最終的に、こんな生活もアリかもしれない。←
ということで、すり減らしたメンタルに優しく囁いて来るような、いち銀行員の覚悟が詰まった1冊です。
おヒマつぶしに、ぜひ。